二十一世紀の幕開けとなる二○○一年の正月を、皆さまはどのように迎えられただろうか。「一年の計は元旦にあり」というが、それぞれの方が本年をどう過ごすか、心に決められたことと思う。私も今年がさらなる飛躍の年となるよう、いくつかの計を立てた。そのうちどれだけ実現できるか。毎年のことではあるのだが、早くも気をもむ心せわしい正月である。
年頭にあたり、まずはクイズを一つ。カーポートに鎮座するのは、ベンツ、BMW、セルシオといった高級車。その傍らで優雅にまどろむのは、ラブラドールなどの大型犬。玄関を誇らしく飾るのは、プロ顔負けのゴルフセット。リビングルームを占拠するのは、大型テレビをはじめとする最新の家電製品と外国製家具。見上げるときらびやかなシャンデリア。さて、ここはどこでしょう?
たいへんなお金持ちのお宅? 正解。どこかの高級モデルハウス? それも正解。答はいくつも思いつくだろうが、家の売却をお考えの方のお宅という正解もあるのだ。
家の売却は大きく分けて二種類がある。一つは住み替えのための売却。これはより広く、より快適で、より便利な住まいへと移るための、いわば発展的なケースだといえる。一方、どうにもならない理由で、やむなく家を売らなければならない場合がある。これが「答」のケースだ。
このところ、「一日でも早く家を売りたいから、いますぐ査定してもらえないだろうか」という相談をよく受ける。お客様宅に参上すると、かならずといっていいほど最初にあげたモノがあり、犬がいる。一見するととても豊かそうだが、ダイヤのリングに飾られた奥様の指と指との間にクレジット会社からの督促状がチラリと見え、ドキリとすることもある。
しかし、ご期待にそえられる査定額を必ずしも出せるとは限らない。また、買い手がすぐに見つかるとは確約できない。もちろん私も最大限の努力をしていることは、ご理解いただきたい。
お客様と話をして、いつも思うのは「なぜ、もっと早く手を打たなかったのだろう」ということだ。お話の節々で「あの時、何とかしようとは思っていたんだけど・・・」とおっしゃられるが、結局は何もされないまま過ごされてきたようだ。
反対に、住み替えのために家をお売りになるお客様のお話を聞くと、しっかりとした人生設計を立ててお暮らしになってこられたのが、よくわかる。お宅も豪華絢爛ではないが、きれいにお使いになられていることが多い。
風邪の季節。ひかないに越したことはないが、なかなかそうはいかない。私もいま、鼻をグシュグシュいわせながらこの原稿を書いている。肝心なのはひきはじめの対処だ。手遅れにならないよう、しっかり手を打っておきたい。そして元旦に立てた計を一つでも多く実現できるよう、精進していきたい。
では、今年も「YEAH!YEAH!家!」ならびに「不動産言いたい放題!」のご愛読、よろしくお願い申し上げます。
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